たかのぶろぐ

独りであること、未熟であること、これが私の二十歳の原点である。

草稿.24

 

先週こんなことがあった。70才の社員が僕に怒った 。それは今まで抱えていた物を一気に晴らすようだった。違う意味で怖かった。目がみなぎっていて話しが通じないような雰囲気があった。認知症の老人が怒ったような。電車や店で暴れ回りクレームを言っているような。何を言っても身に入っていないような。そんな雰囲気だった。後々話を聞いてみると、やはり認知症のような行動を繰り返しているようだった。思ったことすら忘れていることも多々あるらしい。それはそれで良かったのだが、その社員が実は次の機会に自分に謝るという形になった。未だに謝まってもらってはいないし、別にそれはいいのだが、まさか社員の長老が入社3ヵ月のバイト相手に謝罪をするような会社だとは思っていなかった。会社へのイメージは大きく変わったし、親身な会社だと思うようになった。 それと同時に若者の立場が強すぎる世の中だと感じた。従来はそういった痛々しいジジイや煙たがられるババア、腫れ物扱いされるおっさんは世の中に居て当然のことだと認められていた。今ではそれは許されない。人生死ぬまでボケてはいけない。常に客観視を怠らず関係を崩さぬよう神経を張り詰め続けなければならない。若者は立場は強くなったが心は弱くなった。そんな腫れ者すら受けいれることができない。寛容さが消えた。そう仕向けたのは大人だ。若者に逆らうことは老害というような空気が作られた。今回自分はそれに助けられたような気がした。同時に老いることへの恐怖を感じた。安まることのできない長い人生。

 

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